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April 2022

税務

965 Transition Taxと962選択

国際税務コンサルタントも、申告書を作成する。筆者の場合も、海外資産の開示漏れ、非居住者のエステート、出国(877A Expatriation)等が絡むコンサルティングの一環として申告まで承る事が稀にある。申告書作成の過程でCFC、PFIC税制絡みの付表を作成する事もある。申告業務のコンピュータ化が著しい今日でも、それら税制コンプライアンスには、マニュアル作業が多分に残る。特にCFC税制については、TCJA以降、手がかかるマニュアル作業が寧ろ増えた。年々コモディティー化が進行する申告業務の中で、異例な状況とも言える。 TCJAの下、個人納税者にも965 taxが課せられたため、弊所個人クライアントの中にも、2017年及び2018年度のForm 1040にて同Taxを申告した方々がいた。2018年度申告時に965 taxを申告した納税者にとっては、今年が還付申告の期限にあたる。還付請求権が消滅する前に、965 taxを払い過ぎなかったか、確認する事を勧める。筆者の長年の申告・コンサルティングクライアントは、2018年度Form 1040にて965 taxを申告し、同taxを分割払いする手続きを行ったが、その2年後には日本に永久帰国した。米国市民でも永住権保有者でも無かった為、帰国の際には未払いの965 taxを完済した。965やGILTIも含めCFC税制では、個人納税者が選択すれば(= 962 election)CFC絡みの所得につき、法人税率でもって納税すると共に、間接外国税額控除の利用が可能になる。965 taxは、CFCの未配当利益に8%、もしくは15.5%の割で課税されるとうたわれたが、個人納税者にとっては、それは事実ではない。実際には、限界税率が21%の納税者を念頭に入れ、上述の利益が8%、もしくは15.5%割で課税されるよう所得控除を与える制度の為、限界税率が35%の個人納税者の場合、最高13.33%、もしくは25%にて965 taxを払った塩梅になる。それが、962 electionを選択すれば、額面通り、8%、もしくは15.5%での課税となり、税金計算上、CFCが払った外国所得税も税額控除出来る。T.D.…
tueda
April 26th, 2022